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癌の新しい展望

アメリカ人の寿命は延び、医学も別の疾患への対応に貢献していますが、がんは相変わらず私たちを苦しめ続けます。専門家は、がん治療がどれほど進歩したかを強調しますが、治療を進めるのにとんでもない費用がかかることに誰も異を唱えません。

現在、米国では800万人以上ががんに罹り治療を受けています。さらに今年は120万人が新しくがん患者の仲間入りをすると推定されますが、この内訳は男性が62万人以上、女性が60万人ということです。

男性のがんで最も多いのが前立腺がん。年間18万人が罹るといわれます 。
女性では乳がんが最も多く、今年は17万8千人が乳がん患者になると推定されます。

同じく多いのが消化器系のがんで男女の22万5千人、肺がん患者は男性で9万4千人、女性は7万7千人だということです(Amer Cancer Soc, Facts & Fig1999年)。

53%は運動誘発性喘息(EIA)を防ぐことがでました。

Prevention:Best Strategy(予防:効果的戦略)  
放射線や手術、化学療法というこれまでにあるがん治療に合わせ新しく治療法を見つけていくことの困難さに反し、がん予防、つまりがんに罹る危険性を低くする分野は、それほどの費用をかけず全体的に大きく進歩してきました。  

現代科学で最も目立つ予防戦略はタバコを止めること。
たとえば、女性の肺がんによる死亡者数は他のがんに比べて毎年増えています。推定によると、昨年は6万8千人が死亡しました。それに続く乳がんでは、4万3千人が死亡しています。  原因となる喫煙は肺がんだけものではありません。

研究によると、腎臓や膀胱、口内、喉頭、咽頭、食道、すい臓、子宮頚部がんの原因にもなっています。こうした恐ろしい病気の他に、喫煙習慣は同じく心臓病や心血管系疾患も引き起こすのです。  

同時に、脂肪や加工食品を多く摂ること、運動が足りないことも喫煙と同様にいろいろながんの原因になると専門家は考えています。  Purdue's School of Consumer and Family Scienceのデニス・サバイアノ(Dennis Savaiano)博士は「がんの3分の1が喫煙に関連し、3分の1は貧しい食生活や運動不足、そして後の3分の1が遺伝あるいはその他が起因になる」と述べています。

Less Dangerous(危険を少なく)  
Cancer Treatment Centers of Americaの腫瘍学、血液学者であるロバート・ルーイ医師(Robert Lewy)によると、ライフスタイルを変えることがこれらがんの危険性を低くするのに大きな役割を果たすということです。

禁煙を薦める他に、同医師は「最高のアドバイスの中には、日光浴を少なくすること、繊維食品やスパイス、色素が多く含まれる食品をたくさん食べること(ペッパーやサルサなど)、加工され栄養素が少なくなった派生食品よりバランスの取れた食品を食べることなどがある」とも述べています。  

ルーイ医師はまた、発癌物質を含むバーベキューされたものやよく焼いた食品を避け、できれば有機栽培食品を選ぶよう薦めています。

Natural Help(自然の手助け)  
補酵素Aと呼ばれる自然物質もまた、ストレスの有害効果を抑える免疫システムをサポートすることで、がんに罹る危険性を下げます。

補酵素Aは細胞のエネルギー生成に使われ、睡眠不足や感染に対処するのに必要なエネルギー供給を支えます。  

従って、ストレスホルモンが分泌されると、補酵素A供給が落ちるのです。補酵素Aを補給することで、この不足を埋めることができるでしょう。
(Vit Horm1991年)

Plant Protection(植物の保護)  
多くの研究で指摘されたところによると、果物や野菜を食べることは、これら植物から抜き出される栄養素をとることと同様に、がんに罹る確率を減らすカギになります。

これらの自然物質成分には、フラボノイド(自然の色素)4千種、カロチノイド(やはり植物の色を出すアルファカロチンやベータカロチンといった化学物質)数百種、さらに食物繊維やミネラル、ビタミンのような1万種以上の化学物質が含まれます(JANA2号)。  

がん性腫瘍の進行は、始まり、成長、増殖の大体3段階にわたって起こると専門家は考えています。最初の2つの段階は、長いと40年くらい、時間をかけてゆっくり進んでいきます。  

Journal of the American Nutraceutical Associationの中でラッセル・L・ブレイロック(Russell L. Blaylock)医師は「これら2つの段階の間、食事が示す効果はとても大きい。
例えば初期には、カロチノイドビタミンやアルファトコフェロール(自然のビタミンE)、あるいは植物に含まれるフィトケミカルが発がんを防ぐ」と書いています。  

また、フリーラジカル(汚染や体自身がエネルギーを作る過程の中で生み出される有害分子)がDNAを攻撃するとき、がんが発生すると考えられていることも指摘しています。DNAは、再生や他の代謝機能のための細胞のブループリントです。  
DNAがダメージを受けると、がんの原因となる化学物質が分泌され、細胞の正常な処理を邪魔します。細胞の成長や分割を調整する化学物質に有害な影響を及ぼすことから、がん性の腫瘍が結果としてできるのです。  

DNAや細胞の中で重大な間違いが起こり始めると、自滅遺伝子にスイッチが入り細胞を死滅させがんを未然に防ごうとします。しかし、このアポプトシスと呼ばれるがん予防システムがうまく働かないと、再生のコントロールがきかず結果としてがんになってしまうのです。

DNA Protection(DNA保護)  
動物を使った研究では、ビタミンEとミネラルのセレンが化学物質や放射線の有害影響から細胞をまもると指摘しています(Proc Natl Acad Sci1986年)。

また、実験室で増殖させたがん細胞にビタミンEを加えると、がんの成長が遅くなりかなり正常細胞の形に近くなったということです。  
別の研究では、アルコールによって悪化する食道の腫瘍に対するビタミンEの有効性を見ましたが、これによるとビタミンE治療を行った動物は、同治療を受けなかった動物に比べ、腫瘍は小さく少なかったということを明らかにしました(Nutr Cancer1992年)。  

男性を対象にフィンランドで10年にわたって行われた研究(Am Jrnl Epid1988年)を始めとし、スイス(Jrnl Nat Cancer Inst1984年)、イギリス(Br Jrnl Cancer1987年)などヨーロッパで行われた研究によると、血中のビタミンE濃度が低いと、数種のがんに罹りやすくなっているということです。

イギリスの研究では、女性の乳がん患者はそれ以外の女性と比べ血中のビタミンE濃度が低いと指摘しました。

Nutrients Vs Cancer(栄養素対がん)
植物や植物に含まれる栄養素ががんの進行を食い止める最大の防御になるということを裏付けるため、多くの研究が行われています。

野菜や果物をたくさん食べ、さらに重要な抗がん栄養素が配合されるサプリメントを飲むと、がんに罹る割合が改善されるでしょう。

新しいがん治療を発見するのに数十億ドルが費やされています。しかし、最大の予防武器を使えば数セントをかけるだけですむかもしれません。全体的に見ても、予防こそ割安で健康で価値ある取引だといえるでしょう。

Ethnic Group at Risk for Cancer(がんの危険性が高い民族グループ)  
米国では、アフリカ系アメリカ人が概してがんに罹りやすいとされていますが、死亡率が最も高いのがアメリカ原住民なのです。  

Scientific American Cancer Outlookに掲載された記事(1999年5号)によると、白人女性は乳がんが最も多く、少数民族は「医療ケアが十分に受けられず保険もなかなか取得できないため」がんで死亡する割合が高くなっています。  

貧富でがんによる死亡率の不公平さを埋めるための国家的努力が求められるでしょう。しかし現在のところ、民族グループや医療ケアを十分に受けられない人々のために割り当てられるNational Cancer Instituteの研究資金は1%だけというのが現状です。



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